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STORY

ストーリー

スマートお守りomamolinkは私の原体験から生まれました。完成するまでの道のりは、原点となった体験から数えると約25年、四半世紀に及びます。気づきや出会い、そして別れ。紆余曲折を経て誕生したomamolinkのストーリーをご紹介します。

omamolink創業者 石川 加奈子

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何もできなかった17歳の冬

実は私自身、学生の頃や20代の頃に何度か性暴力被害に遭った経験があります。最初は17歳の冬。高校から自宅への帰宅途中の出来事でした。当時の私は、自分がそのような目に遭うとは露程も思っておらず、どう対処していいのか全く頭が回らず、ただただ驚きと恐怖で、助けを呼ぶことも逃げることもできませんでした。

見知らぬ人から突然襲われる経験はそれが初めてでしたが、その後も大学生や社会人になりたての頃に、面識のある人からの性暴力やセクハラなどの被害にも遭いました。それら全ての時に共通していたのが「突然のことで予期していなかった」こと、そして「何もできなかった」ことです。

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持ち歩けなかった防犯グッズ

大人になった私は、「何もできなかった」自分を変えるために、さまざまな防犯グッズを買い込みました。ブザー、フラッシュライト、スタンガン、メリケンなど。護身の意味も考えてテコンドーを習った時期もあります。

​でも、大きな問題がありました。「持ち歩き続けることができない」ことです。これらのアイテムは、いざという時に持っていないと全く意味がありませんが、買った当初は持ち歩いても、次第に面倒になってしまって、いつの間にかカバンから姿を消していました。

 

利己と利他を重ね見出した道

17歳で被害に遭ってから繰り返し考えていたこと。それが、「あの時どうすれば良かったのか」「また同じようなことがあったら今度はどうすればいいのか」ということでした。

「こういうものがあったら、あの時の自分を救えたかもしれない」

omamolinkの原型となるアイデアを思いついたのは2019年のことでした。

​同じ頃、通っていた大学院である先生の話を聞きます。「利己と利他が交わるところにこそ、天命がある」。聞いた時、雷に打たれたような気がしました。その時頭に浮かんだのが、

 

私たちが開発しました
開発者紹介
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株式会社grigry 代表取締役社長
​石川 加奈子

千葉県出身 

MBA(グロービス経営大学院大学修了) 

早稲田大学法学部卒

​性暴力スライバー

 

自身の原体験から「一人でも多くの人が辛く悲しい目に遭わないように」と、

お守り型の護身・みまもりデバイス「omamolink」を創業・開発。


「防犯」という言葉の持つ重く暗いイメージを塗り替え、

可愛くスマートに自分を守る新しいライフスタイル「守活」を提唱。

 

大学卒業後、内閣官房内閣情報調査室にて情報収集・分析業務に従事。

2013年に渡米し、International Institute of Global Resilience(IIGR)にて総務開発部長を務める。

その後帰国しコンサルタントとして独立。2019年春にMBAを取得、同年7月株式会社grigryを設立。

 

原体験から生まれたアイデアをカタチにすることを天命と感じ、

実現に向けチームメンバーを集め、これまでに約1億円近くの資金を調達。

INTERVIEW

omamolinkの開発のきっかけや

発売までに至るまでの道のりなど

様々な想いをお話しさせていただいております。

​宜しければご視聴ください。

STORY

​開発ストーリー

若い頃に受けた性暴力被害、

家族との突然の別れが原体験。

日本では年間、推計5万2,000件の性犯罪被害が発生しています。一方で、「面倒くさい」「デザインがかわいくない」などの心理から、防犯グッズを常備している人が少ないのが実情です。 実は私自身、学生のころや20代のころに何度か性暴力被害に遭った経験があります。当時の私は、自分がそんな目に遭うなんてこれっぽっちも思っておらず、そういうときにどうすればいいのかも分からず、怖くて、助けを呼ぶことも、逃げることもできませんでした。20年経った今でも、時折フラッシュバックすることがあり、そのたびに「あのとき私はどうすればよかったんだろう。もしまた同じような出来事があったら、今度はどうすればいいんだろう」とずっと考えながら生きてきました。私と同じ悲しみを、ほかの人には味わって欲しくないという思いが、「omamolink」を開発しようとした出発点です。 また、「omamolink」のプロジェクトを進めている最中に、祖母と母を立て続けに亡くしました。祖母はひとり暮らしをしていた自宅で倒れて、母は妹家族と一緒に住んでいましたが、たまたまみんなが出掛けているときに、くも膜下出血で倒れてこの世を去りました。「もしも、発見が早ければ救えたかもしれない」。そう思うと、今もやるせない気持ちになります。 もとは、性暴力からどうやって身を守るかに焦点を当てたプロジェクトでしたが、自分の身に危険がせまったときに簡単な操作でSOSを知らせる機能は、人から襲われたときだけでなく、体調が急に悪くなったときにも使えるものだと気付きました。性暴力被害から守るだけでなく、大切な人の「もしも」に気付き、寄り添えるように。私の原体験から生まれたこうした思いが、「omamolink」には込められています。

アイデアしかない。

それでも前へ。

事業化までの道のりは、本当に紆余曲折がありました。 具体的なアイデアはあるものの、私にはモノづくりに関する知識やバックグラウンドがありません。アイデアをカタチにするためには、技術力を持った仲間や開発協力してくれる企業、そして資金が必要ですが、私にはアイデア以外何もありませんでした。 まずはアイデアをひとりでも多くの人に知ってもらうためにビジネスコンテストに出続けることにしました。初めは予選で敗退することもありましたが、できることをやるしかない。プレゼンテーションの内容を何度も練り直し、精度を上げていくうちに大きなコンテストで本選に出場できるようになりました。そして、「女性起業チャレンジ」というコンテストでは、グランプリをいただくことができたのです。 コンテストの結果は、私のビジネスプランが第三者に認められたことの証明になります。そのおかげで、少しずつ興味を持ってくれる人が現れて、今のCTOである福嶋さんと出会うことができました。その後も、細い人脈を必死で辿って、JENESIS株式会社や株式会社ソラコムなど、開発に協力してくださる企業とつながり、少しずつ体制が整っていきました。

進まない資金調達。

背水の陣で臨んだ「令和の虎」。

「振動検知機能」のプログラムを独自開発し特許を出願、初期開発費用の見積りも明らかになり、続いて臨んだのが資金調達です。 開発費用を調達するために奔走しましたが、なかなか思うように資金が集まりませんでした。プロトタイプの制作に会社の全財産を注ぎ込み、「もう後がない」時に背水の陣で挑戦したのがビジネス系リアリティー番組の「令和の虎」でした。 有り難いことに「令和の虎」で希望金額の出資を得ることができたことで、会社倒産の危機を脱し、初期開発をスタートさせることができました。 また、「令和の虎」の反響は大きく、動画が公開された後から、エンジェル投資家の方から出資の話をいただいたり、デザイナーの方が「ぜひ手伝いたい」とプロボノで参加してくれたり、「一緒に働きたいです」と履歴書を送ってくれる方がいたり、一気に事業が前進しました。 そして、前進すればまた新しい壁が出現します。開発後は量産に向けて新たに資金が必要になるのです。引き続きエンジェル投資家の方にお願いし、株式投資型のクラウドファンディングにもチャレンジしました。そして何とか総額1億円を調達し、2022年5月30日、omamolinkを無事に世に出すことができました。 構想20年。そしてアイデアを形にするために起業してからomamolinkをリリースするまでに約3年の月日が経ちました。その間、挫けそうになることも、諦めそうになることも、逃げ出したくなることも何度もありました。 ただその度に、周りの方々に支えられ、壁を乗り越え、今に至っています。

人と人が繋がり合って見守り合うことで

より優しい世界をつくりたい。

日常にはさまざまなリスクが潜んでおり、誰もが被害者になる可能性があります。 ただ、人は痛みを知るまで、なかなかマイナスをゼロにしようとは思わないものです。 「自分の身は自分で守りなさい」とは言われても、自ら「もしもに備える」ことはハードルが高いのが実情です。 大切な人に何かがあった時、最も傷つくのは被害に遭った本人ですが、周りの人も 「守ってあげられなかった」 「何もしてあげられなかった」 と後悔するものです。 結局は皆が辛い思いをすることになる。 だからこそ「互いに守り合う」という視点が重要だと考えます。 omamolinkを通して、人と人が繋がり合い見守り合うことで より安全で安心な、優しい世界の実現の一助になることを願っています。

大人気YouTube番組

“令和の虎”出演動画はこちら。

スマートお守りomamolinkの開発資金を調達するため​に番組に出演し、

プレゼンを行いました。

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株式会社grigry CTO
​福嶋 友樹

東京都出身

早稲田大学理工学部電気工学科修了 

​(制御工学専攻)

大学院終了後、本田技術研究所に入社。

エンジン制御分野世界初の産業機向けエンジン制御システムを構築。

その後電装系のライン長を歴任後、電装、AI系開発室の室長として、

ホンダの産業向けロボティクス分野の開発を指揮。

2022年に退職後、活動の拠点をアメリカに移し、製品の全世界展開も視野にいれ現在活動中​。

のデバイスには携帯電話の通信モジュールが入っています。

これにより、いざというときは、このデバイス自体から直接、

SOS信号が携帯電話の通信網を通してクラウドにアップされます。

これにより、このデバイスさえ持ち歩けば、同時にスマホを持ち歩かなくても

皆様の安全を守ることができます。

ただ、携帯電話のモジュールというのは非常に多くの電力を消耗するので、

この小さなデバイスで、どのように電池を長持ちさせるのかということが大きな課題でした。

この課題に対し、各電子デバイスの選定、動作ロジックの見直しなどを徹底的に行い、

フル充電で1週間以上の電池が持つデバイスを実現することが可能となりました。

次の課題は、どのようにして緊急事態における振動を見極めるかということでした。

ビッグデータを解析できるハイパワーなCPUやメモリーを持っているわけではありません。

振動で検出するプログラムに関しては、エンジン制御で培ったタイミング検出技術を応用し、

1/1000秒単位で計測を行い、普段の生活での振動と異常時発生時の振動の見極めを行う

独自のプログラムを組み入れることにより、この課題を解決しました。

 

さらに、高速道路や一般道、わざと固いところに落としてみたりと、

普段の生活環境におけるテストも十分に行い検証を行っています。

開発に当たっては、昼間の仕事が終わった後の真夜中のはんだ付け作業、

プロトタイプができた際には、当時5歳の娘に使ってもらっての検証、

また、データ取りのためPCを接続してCEOの石川とともに家の中を走り回ったりと、

今では良い思い出になっています。

見た目は小さくてかわいいデバイスですが、

この中には我々開発陣の思いが詰め込まれています。

ぜひ、より多くの人の生活の中で活用され

役に立ってもらえることを、

​心から期待しております。

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